Japanische Klassiker mit Furigana
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がいこつのくろんぼ
骸骨の黒穂
夢野 久作
Lesen Sie 骸骨の黒穂 (がいこつのくろんぼ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.160 Zeichen · 28 Bildschirme
そのまま涙をハラハラと流して、唇からプルプルと血を吐き吐きグッタリとなった。銀次と折重なって倒れようとしたところを走りかかって来た巡査たちに抱き止められた。
「馬鹿ッ……」
「何をスッか……」
「馬鹿ッ……」
という巡査たちの怒号のうちに、太い血の筋を引いた二つの死骸が、事務室の中へ引っぱり込まれた。
警察の門前から、玄関先まで間もなく人の黒山になったが、やがて走り出て来た巡査が、群集を追払って、表門と玄関をピッタリと閉め切ってしまった。
その中に玄関の石段と敷石に流れた夥しい血が、小使の手で洗い流されてしまうと皆立去ってしまったが、それでも、
「何じゃったろかい」
「何じゃったろ何じゃったろ」
と口々に云い交わしながら、近所の人々は皆、表に立っていた。
「須崎監獄へ行って取調べてみますと、どうも意外な事ばかりで驚きました」
出張から帰って来たらしい胡麻塩鬚の巡査部長が、大兵肥満の署長の前に、直立不動の姿勢を執って報告をしていた。事件後、四五日目の正午頃の事であった。
「第一、先般、御承知の一パイ屋の藤六老爺が死にました時に仏壇の中から古い人間の頭蓋骨と、麦の黒穂が出た事は、御記憶で御座いましょう」