Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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げかしつ

高野聖

泉 鏡花

Lesen Sie 高野聖 (げかしつ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.264 Zeichen · 104 Bildschirme

Aozora Bunko

「今の顛末というのを聞かしてくださいな」

馭者は頷きて、立てりし態を変えて、斜めに欄干に倚り、

「あのとき、あんな乱暴を行って、とうとう人力車を乗っ越したのはよかったが、きゃつらはあれを非常に口惜しがってね、会社へむずかしい掛け合いを始めたのだ」

美人は眉を昂げて、

「なんだってまた?」

「何もかにも理窟なんぞはありゃせん。あの一件を根に持って、喧嘩を仕掛けに来たのさね」

「うむ、生意気な! どうしたい?」

「相手になると、事がめんどうになって、実は双方とも商売のじゃまになるのだ。そこで、会社のほうでは穏便がいいというので、むろん片手落ちの裁判だけれど、私が因果を含められて、雇を解かれたのさ」

白糸は身に沁む夜風にわれとわが身を抱きて、

「まあ、おきのどくだったねえ」

渠は慰むる語なきがごとき面色なりき。馭者は冷笑いて、

「なあに、高が馬方だ」

「けれどもさ、まことにおきのどくなことをしたねえ、いわば私のためだもの」

美人は愁然として腕を拱きぬ。馭者はまじめに、

「その代わり煙管の掃除をしてもらった」

「あら、冗談じゃないよ、この人は。そうしておまえさんこれからどうするつもりなの?」