Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
げかしつ
高野聖
泉 鏡花
Lesen Sie 高野聖 (げかしつ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.264 Zeichen · 104 Bildschirme
「そうおっしゃらずにお召しなすって。へへへへへ」
「なんだね、人をばかにして。一人乗りに同乗ができるかい」
「そこはまたお話合いで、よろしいようにしてお乗んなすってください」
おもしろ半分にるを、白糸は鼻の端に遇いて、
「おまえもとんだ苦労性だよ。他のことよりは、早く還って、内君でも悦ばしておやんな」
さすがに車夫もこの姉御の与しやすからざるを知りぬ。
「へい、これははばかり様。まああなたもお楽しみなさいまし」
渠は直ちに踵を回らして、鼻唄まじりに行き過ぎぬ。欣弥は何思いけん、
「おい、車夫!」とにわかに呼び住めたり。
車夫は頭を振り向けて、
「へえ、やっぱりお合い乗りですかね」
「ばか言え! 伏木まで行くか」
渠の答うるに先だちて、白糸は驚きかつ怪しみて問えり。
「伏木……あの、伏木まで?」
伏木はけだし上都の道、越後直江津まで汽船便ある港なり。欣弥は平然として、
「これからすぐに発とうと思う」
「これから※(疑問符感嘆符、1-8-77)」と白糸はさすがに心を轟かせり。
欣弥は頷きたりし頭をそのまま低れて、見るべき物もあらぬ橋の上に瞳を凝らしつつ、その胸中は二途の分別を追うに忙しかりき。