Japanische Klassiker mit Furigana
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げかしつ
高野聖
泉 鏡花
Lesen Sie 高野聖 (げかしつ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.264 Zeichen · 104 Bildschirme
「これからとはあんまり早急じゃありませんか。まだお話したいこともあるのだから、今夜はともかくも、ねえ」
一面は欣弥を説き、一面は車夫に向かい、
「若い衆さん、済まないけれど、これを持って行っとくれよ」
渠が紙入れを捜るとき、欣弥はあわただしく、
「車夫、待っとれ。行っちゃいかんぜ」
「あれさ、いいやね。さあ、若い衆さんこれを持って行っとくれよ」
五銭の白銅を把りて、まさに渡さんとせり。欣弥はその間に分け入りて、
「少し都合があるのだから、これから遣ってくれ」
渠は十分に決心の色を露わせり。白糸はとうていその動かす能わざるを覚りて、潔く未練を棄てぬ。
「そう。それじゃ無理に留めないけれども……」
このとき両箇の眼は期せずして合えり。
「そうしてお母さんには?」
「道で寄って暇乞いをする、ぜひ高岡を通るのだから」
「じゃ町はずれまで送りましょう。若衆さん、もう一台ないかねえ」
「四、五町行きゃいくらもありまさあ。そこまでだからいっしょに召していらっしゃい」
「お巫山戯でないよ」
欣弥はすでに車上にありて、
「車夫、どうだろう。二人乗ったら毀れるかなあ、この車は?」
「なあにだいじょうぶ。