Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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げかしつ

高野聖

泉 鏡花

Lesen Sie 高野聖 (げかしつ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.264 Zeichen · 104 Bildschirme

Aozora Bunko

年増は猿に代わりて答えぬ。轆轤首は愛相よく、

「おおおお、それはまあ遠い所へ」

「はい、ちと遠方でございますと言いなよ。これ、長松、ここがの、金沢の兼六園といって、百万石のお庭だよ。千代公のほうは二度目だけれど、おまえははじめてだ。さあよく見物しなよ」

渠は抱きし猿を放ち遣りぬ。

折からあなたの池のあたりに、マッチの火のぱっと燃えたる影に、頬被りせる男の顔は赤く顕われぬ。黒き影法師も両三箇そのかたわらに見えたりき。因果娘は偸視て、

「おや、出刃打ちの連中があすこに憩んでいなさるようだ」

「どれどれ」と見向く年増の背後に声ありて、

「おい、そろそろ出掛けようぜ」

旅装束したる四、五人の男は二人のそばに立ち住まりぬ。年増は直ちに猿を抱き取りて、

「そんなら、姉さん」

「参りましょうかね」

両箇の女は渠らとともに行きぬ。続きて一団また一団、大蛇を籠に入れて荷う者と、馬に跨りて行く曲馬芝居の座頭とを先に立てて、さまざまの動物と異形の人類が、絡繹として森蔭に列を成せるその状は、げに百鬼夜行一幅の活図なり。

ややありて渠らはみな行き尽くせり。公園は森邃として月色ますます昏く、夜はいまや全くその死寂に眠れるとき、谺に響き、水に鳴りて、魂消る一声、