Japanische Klassiker mit Furigana
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きぶつどうじけん
鬼仏洞事件
海野 十三
Lesen Sie 鬼仏洞事件 (きぶつどうじけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.468 Zeichen · 30 Bildschirme
「そうですねえ。要するに、斥候隊で、敵の作戦を見破ったり、場合によれば、一命を投げだして、敵中へ斬り込みもするですよ」
「まあ、――」
といったが、三千子は、帆村の身の上に、不吉な影がさしているように感じて、胸が苦しくなった。
鬼気せまる鬼仏洞内での双方の会見は、お昼前になって、ようやく始まった。尤も明り窓一つない洞内では昼と夜との区別はないわけである。
○○権益財団側からは、やはり同数の八名の委員が出席したが、その外に、前には姿を見せなかった鬼仏洞の番人隊と称する、獰猛な顔付の中国人が、太い棒をもって、あっちにもこっちにもうろうろしていた。
いよいよ交渉が始まった。
相手方から、背のひょろ高い一人の委員が、一番前にのりだしてきて、
「わしは、この鬼仏洞の長老で、陳程という者だ。お前さん方は、この鬼仏洞の治安が乱れているとか、中で善良な市民が謀殺されたとか、有りもしないことを、まことしやかにいいだして、わが鬼仏洞にけちをつけるとは、怪しからん話だ」
と、始めから、喧嘩腰であった。
三千子は、後から、その長老陳程と名乗る男の顔を一目見たが、胸がどきどきしてきた。