Japanische Klassiker mit Furigana
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おに
鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 鬼 (おに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.138 Zeichen · 60 Bildschirme
警官に引連れられた雪子が、どんな顔をして出て来るかと、ちょっと好奇心を起して待っていると、やがて、再び格子戸の開く音がして、警官が出て来たが、雪子の姿は見えぬ。そればかりか、警官は殿村がまだそこに立っているのを見つけると、怒った様な声で、
「困りますね、出鱈目をおっしゃっては。絹川雪子はいないじゃありませんか」
と云った。
「エ、いないって?」殿村は面喰らって「そ、そんな筈はありませんよ。今僕が逢って来たばかりですからね。僕がたった五六間歩く間に、外出できっこはありませんよ。本当にいないのですか」
と信じられぬ様子だ。
「本当にいないのです。婆さんに尋ねても不得要領なので、二階へ上って見たんですが、猫の子一匹いやしない。じゃ、裏口からでも外出したのかも知れませんね」
「サア、裏口といって、裏は停車場の構内になっているのだが。……兎も角僕も引返して調べて見ましょう。いない筈はないのだがなあ」
そこで、二人はもう一度その家の格子戸を開けて、婆さんに尋ねたり、家探しをしたりしたが、結局絹川雪子は、煙の様に消え失せてしまったことが確められたばかりであった。
さい前警官が這入って行った時、婆さんは殿村を送り出して、まだ玄関の、しかも階段の降口に立っていたのだから、いくら目や耳のうとい老人でも、雪子がその階段を降りて来る