Japanische Klassiker mit Furigana
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まぞう
魔像
林 不忘
Lesen Sie 魔像 (まぞう) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 131.494 Zeichen · 260 Bildschirme
「シッカリなさいよ。ここは往来じゃないか。人眼についたら、どうするつもりだえ。サ、あたしが好い所へ連れてって、ゆっくり会わして上げるからサ、悪いようにはしないよ。早くこの駕籠へお乗り!」
ここにいる喬様に、今すぐユックリ会える……園絵ははや涙ぐんで、言われるまま駕籠へうずくまる。駕籠舁きには委細命じてあるから、ギイと上ってスタスタスタ、急ぎ行きかけるかと思うと、なかなか出ない。
殿の駕籠にいた茨右近、ヒョイと顔を出して見るてエと、知らずのお絃ちゃんが自分の駕籠へはいろうともしないで、かごに凭れてしきりにクシャンクシャン鼻をかんでいるので、
「やい、何をしてやんでエ! さっさと乗らねえか」
低声に叱咤した。お絃ちゃんは、湿み声だ。
「やかましいやい。泣いてるんだい」
「何をッ! 手前は何も泣くこたアねえじゃアねえか」
「うるさいねえ。あたしゃ情にほだされて――こんなに旦那のことを思ってる奥さん、ちょいと、まるで眼の色が変ったよ――ねエ、それにつけても、仲よくしようねえ」
「そうだ。もソッとおいらを大事にすることだ」
「大事にしてるじゃないか。これ以上大事にしたら、お前さんの命が保たないよ」