Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まぞう

魔像

林 不忘

Lesen Sie 魔像 (まぞう) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 131.494 Zeichen · 260 Bildschirme

Aozora Bunko

歩くのはこれで、何でもないようで草臥れるからねえ。お前も大変だったろう? 御苦労だったねえ」

「へい、ドドドどうも、ア、相済みません」

喧嘩屋の身内、どもりの勘太こと吃勘と来たら、名前の示すごとく猛烈な吃りなのだ。

内儀ふうに装った知らずの姐御にくっついて、勘太も茶店へはいって来る。手に何か持っている。萠黄のふろしきに包んだ、箱のようなものである。

何か思わくでもあるのか、スッカリ化け切った知らずのお絃だ。腰掛けの間を通って、幸吉のそばへ行って腰を下ろす。勘太も続いて、となりに掛けた。同じようなふろ敷包の箱が、二つ並ぶ。

思いがけなく、美い女が傍へ来たので、筆屋の若旦那は、もうゾクゾク心臓の高鳴りを感じて、何とかうまくモーションをかけよう……機会を狙っているうちに、お絃と吃勘はアッサリお茶を飲んで、

「お婆さん、御馳走さま。お茶代はここへ置きますよ」

チャリンと盆へ文銭を投げて、お絃は立つ。勘太も、箱包をかかえてあとを追う。二人、いそぎ足に出て行った。

それで気がついた幸吉、

「おい、定公、そろそろ出かけようじゃないか」

「そうですね。では、参りましょうか」