Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
さかなのえさ
魚の餌
梅崎 春生
Lesen Sie 魚の餌 (さかなのえさ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.827 Zeichen · 10 Bildschirme
やはり曇ったような天気のハッキリしない日だった。前の日とちがって、魚の当りが悪かった。潮加減がよくなかったのだろう。僕は朝から釣れないでいい加減くさっていた。その上岩にひっかけて、糸を何本も切らしていた。昼の弁当を食い終っても、僕の魚籠はほとんど空だった。そこでもう今日は止めて帰ろうと思ったのだ。
そしてふと振り返った時、そこにこの間の子供がいたのだ。この前と同じように、兄弟並んで、ぼんやりと海を眺めている。その時僕は、ほとんど無意識に、そして彼等に気付かれないように、自分の餌箱を脇に引き寄せていたのだ。次の瞬間、その自分のやり方が急にあらあらしく僕に反撥してきた。れいのジタバタが始まった。
「ふん」
と僕は思った。そんならあの子供たちに、今日はこちらから餌をわけてやる。そんな思いつきがとたんに頭をかすめた。もうどうせ帰るのだから、残りのゴカイは不用なわけだ。ゴカイというやつは、とても条件を良くしないと、翌日まではもたないのだ。
僕は立ち上った。餌箱をぶら下げて、ためらわずに兄弟に近づいて行った。
跫音を聞いて、兄弟は振り向いた。警戒するように二人の表情は突然するどくなった。