Japanische Klassiker mit Furigana
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にしんぎょじょう
鰊漁場
島木 健作
Lesen Sie 鰊漁場 (にしんぎょじょう) von 島木 健作 (しまきけんさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.483 Zeichen · 49 Bildschirme
が、すぐに慣れた。じっと目を据えて見ると、土の上にじかにおかれた細長い飯台に向いあって、漁夫、馬橇引、百姓などとりまぜて七八人が腰をおろしていた。
「ちょっとお尋ねしやす。」
源吉は敷居の外につっ立ったまま、にこりともせずまるで怒ってでもいるかのような調子で言った。「大丸たらいう漁場の事務所はどこかね?」
人々はもうだいぶ酔っているらしかった。突然の闖入者に彼らは話をやめ、互いに顔を見合し、それから源吉の風体をさぐるようにじろじろと見た。
「あんさん、鰊場稼ぎなさるのかね?」
源吉の問にはすぐには答えないで、問いかえしたのは、四十余りの屈強な漁夫であった。
「今っから旦那と契約すんのかね?」
「ああ、」
「そりや、遅かろうて、みんなもう、去年のうちにすんでいるべものな。」
同意をもとめるかのように一座の人々の顔をずーっと見まわし、それから又源吉の方へ向きなおって、
「まア、行って見べし、大丸の事務所はな、この前の道をつきあたったら左さ二町ばかし行ぐんだ、浜さ出る途中さ白い土蔵があっから、その隣りが事務所よ。」
とおしえた。
源吉は礼もいわず、むっつりとしたままもとの道へかえって来た。