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Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.100 Zeichen · 523 Bildschirme

Aozora Bunko

東のほうをごらんなさい。昔、徳川様に見出されて、お抱えになった忍者の出生地――有名な甲賀の山国があの辺です」

「なるほど、つまり幕府の甲賀者が出た郷で……」

「さよう、あの尖った山が矢筈ヶ岳、その右手のが猪の背山とかいいましたよ。まア名なんぞはどうでも、あの襞になっている山の皺が、なんともいえない深味のある色じゃございませんか」

すぐそこまで来たのをみると、六部、高野詣り、道者などの五人連れで、いずれも白い甲がけ脚絆に杖をもっているが、中に一人、それをもたない虚無僧の天蓋が一つまじっていた。

「どうです?」

高野詣りが腰をのばしていった。

「この辺で、一服やるとしましょうか」

すると、六部がソッと袖をひいて、道ばたにいる侍を目で知らせながら、さりげない調子で、

「いや、もう一息まいりましょう」

「そうですか、じゃあ……」

「下りへかかる岐れ路に、たしか、眺めのいい場所があった筈で……」スタスタと通り過ぎてしまった。多少何か無気味にも思ったようなふうである。

一人の虚無僧も、他の行者たちについて足を早めたが、行き過ぎてから、二、三度うしろをふりかえった。わざと、やりすごす気で、たばこをくゆらしていた一角や弥助は、その五人を一様一色な遍路とばかり思っていたので、虚無僧のまじっていたことも、またその天蓋のかげに明敏なまなざし