Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.100 Zeichen · 523 Bildschirme

Aozora Bunko

もう少し、人通りのねえ所へ行って声をかけよう」と、場所を計ってついて行く。

四、五町来ると、屏風坂から鶯谷のさびしい山蔭、もう、ここらでよかろうと万吉、

「もし、弦之丞様、弦之丞様」

と、呼びかけた。向うでハッとふりかえると、お綱は胸を躍らせて、思わず足を止めてしまった。――弦之丞は天蓋をこなたに透かして、

「おお、万吉ではないか」ピタピタと戻ってきて、お綱には目もくれずに、

「どうしたのじゃ? 江戸表へまいって以来、どれほどそちの姿を探していたかしれぬぞ」

「イヤどうも、お話にならねえ手違いだらけで、私もあなたの居所を知るまでどんなに、気をもんだかしれません」

「ではこのほうが、先日焼け跡へ印してきた文字を読んだか」

「あれを見なかった日にゃ、それこそ、まだお目にかかることはできなかったでしょう。で、実は早速、一月寺の方へ伺いましたところ、今日は合力に出ていてお留守だという話。もう夕方までは間もねえからと、今しがたまで池の端の茶屋に休んでおりますと、あなたをつけ狙っている三人組の奴らが、角兵衛獅子の子をいじめているので、思わずあの弥次馬の中にまじっていたのでございます」