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Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.100 Zeichen · 523 Bildschirme

Aozora Bunko

かまきりのように、橋袂からゴソゴソと四つン這いに寄ってきて、半次、しばらく息を殺しながら、ジイと地面をすかしてみると、そこに顎をはずした提灯の落ちているのは見えたが、弦之丞の姿は見当らない。

「おや……」と、いったが、またすぐに、

「野郎。とうとうまいってしまやがった」

すッかり安心した様子で、のッそり腰を伸ばしかけた。

と、水鶏橋のほうから一人。向うのかげから一人、そして御隠殿のほうからまた一人……。

いかにも厳しい身構えで、一歩、一歩と、闇を探りながら、寄り集まってくる者があった。かかる夜、魔手をふるって、跳躍するには屈強な、黒いでたちという拵え。かすかに、その者の帯ぎわにキラキラ光るのは、金か銀か四分一か、柄がしらの金具であろう。

「半次か」

「周馬様で?」

「ウム」

「手ごたえは? ……」

と、また一方の黒装束。

「関金にこたえがあった。あたった弾は分る」

こう応じたのは、木立の中から短銃を引っさげてきた者の声だ。半次をのぞいて、同じ黒いでたちの頭数三人――、たしかに、旅川周馬、お十夜孫兵衛、天堂一角、この以外の者でないにはきまっているが、闇ではあり、覆面同装、誰がそれとも見分けがつかない。