Japanische Klassiker mit Furigana
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あへんをのむびしょうねん
鴉片を喫む美少年
国枝 史郎
Lesen Sie 鴉片を喫む美少年 (あへんをのむびしょうねん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.061 Zeichen · 21 Bildschirme
今の境遇では日本の国へ、いつ帰れるとも解らない。藩籍からも除かれたそうだし、何か国禁でも犯したかのように、幕府の有司などは誤解していると、君からの手紙にあったので、せっかく日本へ帰ったところで、面白いことがないばかりか、冷遇されるだろうから、帰国しようと思っていないのさ。
しかし一日として日本のことを、思わない日はないのだよ。勿論妻も子供もないから、君侯のことや朋輩のことや――わけても君、吉田惣蔵君のことを、何事につけても思い出すのだがね。
黄浦河の岸に楊柳の花が咲いて散って空に飜えり、旗亭や茶館や画舫などへ、鵞毛のように降りかかる季節、四五月の季節が来ようものなら、わけても日本がなつかしくなるよ。
楊柳の花! 楊柳の花!
友よ、友よ、楊柳の花のよさは、何と云ったらよいだろう!
詩人李白が詠ったっけ。――
楊花落尽子規啼。
聞道竜標過五渓。
我寄愁心与明月。
随風直到夜郎西。
詩人王維も詠ったっけ。――
花外江頭坐不帰。
水晶宮殿転霏微。
桃花細逐楊花落。
黄鳥時兼白鳥飛。
が、今は楊柳の花が、僕の心を感傷的にする、そういう季節ではないのだよ。しかし僕の語ろうとする「鴉片を喫む美少年」