Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

大勢の人たちもそれに連れてぞろぞろ行ってしまいました。

明治天皇の東北御巡幸の時は、千住方面から御出発でした。広くもない往来は、朝の内から厳重な警戒です。千住まで皇后陛下の御見送りがありました。それで学校はお休みだったのでしょう、私は通りへ出て、橘井堂医院の大きな招牌の蔭から覗いて見ました。そこらの人たちが並んでいます。赤筋の這入った服の騎兵が、鎗を立てて御馬車の前後を警固して行きます。騎兵の人々に遮られて、よく拝されません。やがて皇后陛下の御馬車が近づきました。折よく辺りに人もいませんかったので、御馬車の中も幾分見えました。御すべらかしのお髪、白衿にお襠、それらがちらと目の前を過ぎました。御陪乗の人はよく見えません。続くお馬車に、やはり御すべらかしが二人乗っていられました。それからまだ次々と御供が続きます。御小休所は三丁目の中田屋という、北組第一の妓楼の本宅で、店とはすっかり別になっていて、大層立派な建築のように聞きました。

お父様は平生決して妓楼へはいらっしゃらないのですが、その折は前以て病気の人でもあってはと、お出になったかに聞きました。

「外に場所はないのかねえ」