Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

こんな時には皆困ったことでしょう。

このつるというのは、まだ若いのに、無口で、寂しい顔立ちをした女でした。やかましく叱られても口答もせず、いつもいいつけられた通りに牛乳瓶の消毒などをしていました。何か面倒な家庭の子でしたろう、暫く世話になっていたようでした。

その頃私の家には、どこからか迷って来た鳩がいました。近くの白山神社の群から離れたのかも知れません。それがよく馴れて、卵をかえしたり、雛をはぐくんだりします。それを見せるといって、類さんを連れて来ました。そんな時はつるも楽しそうで、晴やかな笑顔をしていたのですが、するとそこへ、「早くお帰りなさい」という電話です。「遊び過ぎました」といって、急いで帰る時の女の顔は、いつものように寂しそうでした。

建碑式

七月九日の鴎外の命日に、詩碑の除幕式があるという通知を受けて、団子坂へ行きました。だんだん年を取るので、孫に連れて行ってもらいます。車で大観音の前を通りますと、四万六千日だというので賑かです。三十幾年前もこんなだったと思います。今か今かというような、兄の容体を案じながら通った時の気持が思出されます。