Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

私の子供も長男に妹が二人で、皆まだ小さくて、手のかかる盛でした。

その頃のことですから雇人に不足はなくて、請宿へいって遣りますと、すぐに人をよこしてくれます。或時頼んで遣ったら、そこの引手が三人の女を連れて来て、「どれでもお好きなのをお使い下さい」といったのには呆れました。まだ若かった私は、一目見たばかりの女たちを何ともいいようがなくて、「どうしましょう」と母に相談しましたら、「お前が若いのだから一番若いのにしたらよかろう」といわれたので、それに極めました。そんなに手軽に雇っても、調べが行届いていて、割合に間違などはないのでした。その頃は曙町に住んでいましたので、請宿は白山坂の中途にありました。雇人口入業という札が出ていて、いつも人が集っているのでした。引手をする女は五十くらいだったでしょうか。額の抜け上った、小形の痩せた女でした。ちょっと往来に出ても、その女が若い女を連れて歩いているのに出逢います。長くやっていて信用もありますし、この辺は邸が多くて、どこでも人を置きますので、それで忙しいのでしょう。

そんなに手軽には雇われますが、とかく出這入りの多いのには困りました。