Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

あんなことでよければ、いつでも間に合わせます。お話になりそうなことは気を附けて置きましょう」と兄は申しました。

その日は家内中晴やかな気分で、御馳走をいただぎました。

それからいつでしたか父が、母に向って、「やっぱり林は普通の子ではないねえ。己たちの子としては出来過ぎている。どうか気を附けて煩わぬようにしなければならないよ」と語られるのを聞きました。

書物

向島に住んで小学校にも通い馴れた十歳位の頃でした。日曜日に本郷から帰って来られたお兄様が、床脇の押入れの中に積重ねてあった本の中から一冊を抜出して、「こんな本を読んで見るかい」とおっしゃいました。

和綴のかなり厚い一冊物で、表紙は茶色の熨斗目模様、じゃばらの糸で綴じてあり、綴目の上下に紫色の切れが張ってあって『心の種』と書いてあります。橘守部の著なのです。今までそんな形の本は見たことがないのですから、嬉しくってたまりません。「わたくしに解るかしら」と、おかっぱ頭をかしげました。「これは歌の御本ね。『古今集』の序に、やまと歌は人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける、とあったもの。」

「何だ、そんな事を知っていたのか。