Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

昼は静かなのですが、夜になると遠くもない青楼の裏二階に明りがついて、芸者でも上ると賑やかな三味線や太鼓の音が、黒板塀で囲まれた平家の奥へ聞えて来ます。

或夜、たしか酉の町の日でしたろう、お隣の仕舞屋の小母さんから、「お嬢さん、面白いものを見せてあげましょう」と誘われたので、行って見ますと、その家の物干から斜に見える前の青楼の裏二階で酒宴の最中です。表二階では往来から見えるというので禁止になっているのだそうで、大分大勢の一座らしく、幾挺かの三味線や太鼓の音に混って、甲高いお酌の掛声が響きます。甚句というのでしょうか、卑しげな歌を歌う声も盛です。そこへ娼妓たちでしょう、頭にかぶさる位の大きな島田髷に、花簪の長い房もゆらゆらと、広い紅繻子や緋鹿の子の衿をかけた派手な仕掛姿で、手拍子を打って、幾人も続いて長い廊下を往ったり来たりします。歌うもあれば笑うもあり、その賑やかさに、私は目を見張って驚いていました。

送って来た小母さんが、お母さんに話していました。

「あの水口の檀那が、子供たち(娼妓)がどれもどれも赤い衿ばかりで並んでいるのを見ると(張見世のことをいうのでしょう)、あまり変りがないので面白くないから、皆浅葱か藤色にして見ようといっていられましたが、それからさっぱり客が来なくなったそうで、やっぱり赤くなけれ