Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
う
鵜
山本 周五郎
Lesen Sie 鵜 (う) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.733 Zeichen · 38 Bildschirme
彼は眩しそうな眼をした、「あんまりおどかさないでくれ」
雨あがりで、水はまだ濁っていた。
午まえは濁りがあって成績はよくなかった。午後になって濁りが薄くなると釣れだし、一刻ばかりのうちに十尾ほどあげた。むろん釣るそばから放してやるのだが、十何度めかに山女魚を放したとき岩の下から呼びかける声がした。
「なぜ魚を逃がすんですか」
半三郎は「うっ」といった、そして同時に眼をつむった。
「ねえ」とまたその声が云った、「せっかく釣ったのになぜ逃がしてしまうんですか」
「――竿を有難う」と半三郎が云った。
「なんて仰しゃったの」
「竿をどうも有難う」
「どう致しまして」その声は含み笑いをし、それから云った、「わたくしが悪かったんですもの、ずいぶん吃驚なすったようね」また含み笑いが聞えた、「わたくしも吃驚しましたわ、この淵は決して人の来ない処で、それで安心して泳ぎに来ていたんです、そうしたら釣竿が落ちて来て、眼をあいたらあなたがそこにいらっしゃるでしょ」声がとぎれて、それからまた云った、「なにか仰しゃって」
「いや」と半三郎が云った、「今日は、いつのまにそこへ――まえから来ていたのか」