Japanische Klassiker mit Furigana
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がこせんにん
鵞湖仙人
国枝 史郎
Lesen Sie 鵞湖仙人 (がこせんにん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.555 Zeichen · 22 Bildschirme
人魂のような青い火が、船を朦朧と照している。
人々は甲冑を鎧っている。手に手に討物を持っている。槍、薙刀、楯、弓矢。……
おお然うして夫れ等の人は、鵞湖仙人の屋敷の方へ、挙って指を指している。何やら罵っているらしい。しかし話声は聞えない。
彼等はみんな痩せていた。
と、続々甲板から、水の中に飛び込んだ。十人、二十人、三十人。……しかも彼等は溺れなかった。彼等は水の上に立っていた。
飛ぶように水面を走り乍ら、続々と岸へ上って来た。彼等は岸へ勢揃いした。それから颯っと走り出した。
鵞湖仙人の屋敷の方へ!
近寄るままによく見れば、彼等はいずれも骸骨であった。眼のある辺には穴があり、鼻のある辺には穴があり、口のある辺には歯ばかりが、数十本ズラリと並んでいた。
甲冑がサクサク触れ合った。骨と骨とがキチキチと鳴った。
竹藪の方へ走って来る。
流石の正雪もウーンと唸った。すっかり度胆を抜かれたのである。
彼は地面へ腹這いになった。
サーッと彼等は走って来た。彼等の或者は正雪の背中を、土足のままで踏んで通った。しかし少しの重量も無い。彼等には重量が無いらしい。大勢通るにもかかわらず、竹藪はそよとの音も立て無い。