Japanische Klassiker mit Furigana
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がこせんにん
鵞湖仙人
国枝 史郎
Lesen Sie 鵞湖仙人 (がこせんにん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.555 Zeichen · 22 Bildschirme
「さて、これから何うしたものだ」
彼は思案に打ち沈んだ。
「路に迷った旅人だと、嘘を云って乗り込もうか。いやいや看破かれるに違いない。では正直に打ち明けて「術書」の譲りを受けようか。なかなか譲ってはくれないだろう。……うん、そうだ。忍び込んでやろう。俺は忍術葉迦流では、これでも一流の境にある。目付けられたら夫れまでだ。叩っ切って了えばいい。旨く術書が探ぐりあたれば、そのまま持って逃げる迄だ。よし、今夜忍び込んでやろう」
四
忍術も支那から来たものである。六門遁甲が根本である。「武備志」遁用術も其一つだ。
しかし忍術は日本に於て、支那以上に発達した。それは日本人が体が小さく、敏捷であったが為である。
忍術の根本は五遁にある。即ち水火木金土だ。
ところで葉迦流は水遁を主とし、葉迦良門の開いたもので、上杉謙信の家臣である。
「滴水を以て基となす」
こう極意書に記されてある。
一滴の雨滴が地面に落ちる。それをピョンと飛び越すのである。二滴の雨滴が地面へ落ちる。それを復ピョンと飛び越すのである。
雨滴はだんだん量を増す。地面の水域が広くなる。それをピョンピョン飛び越すのである。