Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わし

鷲

岡本 綺堂

Lesen Sie 鷲 (わし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.476 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「坊さまひとりで住んでいる家か。」

人々は顔をみあわせた。

「あの御出家はどういう人ですね。以前は鎌倉のお寺で修業したというお話でしたが……。」

と、叔父も人々の顔を見まわしながら訊いた。

「鎌倉の大きいお寺で十六年も修業して、相当の一ヵ寺の住職にもなられるほどの人が、こんな山奥に引っ込んでしまって……。考えれば、お気の毒なことだ。」と、老人は心から同情するように溜息をついた。「これも何かの因縁というのだろうな。」

ゆうべの疑いが叔父の胸にわだかまっていたので、彼は探るように言い出した。

「御出家はまことにいい人で、いろいろ御親切に世話をしてくださいましたが、ただ困ったことには、気味の悪い声が夜通しきこえるので……。」

「ああ、おまえもそれを聞きなすったか。」と、老人はまた嘆息した。

「あの声は、……。あの忌な声はいったいなんですね。」

「まったく忌な声だ。あの声のために親子三人が命を取られたのだからな。」

「では、両親も妹もあの声のために死んだのですか。」と、叔父は思わず目をかがやかした。

「妹のことも知っていなさるのか。では、坊さまは何もかも話したかな。」