Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わし

鷲

岡本 綺堂

Lesen Sie 鷲 (わし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.476 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

その後五日のあいだは毎日強い風が吹きつづけたが、荒鷲は風に乗って来なかった。ことしは獲物が多いという弥太郎の予言も、なんだか当てにならないようにも思われてきた。又次郎は久助を遣わして、角蔵一家の様子を窺わせると、角蔵はあの日に沖へ出て、寒い風に吹かれたせいか、夕方から大熱を発してその後はどっと寝付いている。お蝶は別に変ったこともなく、母と一緒に病人の介抱をしているという。角蔵の来ない子細はそれで判ったが、お蝶に変ったことのないというのが、少しく又次郎の腑に落ちなかった。

それから又三日を過ぎて、きょうは十月十一日である。二日以来、鷲はおろか、雁の影さえも碌々に見えないので、人々の緊張した気分もだんだんにゆるんできた。弥太郎の予言はいよいよ当てにならなくなって、蔭では何かの悪口をいう者さえ現われた。

「畜生。今にみろ。」と、主おもいの久助はひそかに憤慨していた。

このあいだから毎日吹きつづけた木枯しも、きのうの夕方から忘れたようにやんで、きょうは朝からうららかな小春日和になった。そめ日の夕方には、宿の主人から酒肴の饗応があった。

「どなた様も日々のお勤め御苦労に存じます。