Japanische Klassiker mit Furigana
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わし
鷲
岡本 綺堂
Lesen Sie 鷲 (わし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.476 Zeichen · 290 Bildschirme
「なに、詰まらない事ですよ。」と、若い書記はまた笑った。
「曽田屋の別棟は五間ぐらいですが、ほかにも手入れをする所が相当にあるので、七、八人の大工が絶えず入り込んで、材木の切り組から出来までには三月以上、やがて四月くらいはかかりましたろう。それは一昨年の三月頃から五、六月頃にかけてのことで、その仕事に来た大工はみな泊り込みで働いていたんです。そのなかに西山――名は何というのか知りませんが、とにかく西山という若い大工がまじっていました。年はまだ十九とか二十歳とかいうんですが、小僧あがりに似合わず仕事の腕はたいへんに優れていて、一人前の職人もかなわない位であったそうです。それが西山という姓を名乗ってはいますが、実は朝鮮人だともいい、又は琉球人の子で鹿児島で育ったのだともいう噂があって、当人に訊いてもはっきりした返事をしないので、まあどっちかだろう、ということになっていました。見たところは内地人にちっとも変らず、言葉は純粋の鹿児島弁でした。色の蒼白い、痩形の、神経質らしい男でしたが、なにしろ素直でよく働き、おまけに腕が優れているというんですから、親方にも仲間にも可愛がられていました。