Japanische Klassiker mit Furigana
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まど
鷹野つぎ――人と文学
鷹野 つぎ
Lesen Sie 鷹野つぎ――人と文学 (まど) von 鷹野 つぎ (たかのつぎ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.840 Zeichen · 43 Bildschirme
「とよ子さんは矢張り長兄さんの所にいるのが順席ですよ。そしてお母さんもなんとか早く故郷に帰えられなくちゃお差支えでしょう」と次男の嫁もすすめた。
老いた母はものかげで末娘に云った。
「のう、とよ子、お前にも孝の道というものはわかるまい。親がああして欲しいこうして頼むというせつない気持を、深あく察するのが孝というもんだ」
その時の母を語るとよ子のあどけない瞳には、さんさんと涙があふれ落ちていた。それからまた母は語をつづけたと云う。
「わしはの、二宮金次郎が母親の気持を察した。あれには感心する。里子に出した赤児を慕って泣く母親の心を察してまたひきとってあげたという、あの察しの深さには、わしはなんとも物が云えないほどありがたい」
その後また長兄の家に戻った母娘は、今度は老いた母の考えつめた主張で、末娘に何か手職を持たせたい方針となり、やがてある百貨店の裁縫部へ住込ませることで、打開の道を見つけた。
とよ子が若い同僚たちに交って、他人のなかに住みはじめると、老いた母ははじめて安心して故郷へ帰った。
とよ子は縫い仕事が面白く、腕のあがったことも、きびしい主任に認められ出したが、一年足らずで十八歳の春には病いを発した。