Japanische Klassiker mit Furigana
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まど
鷹野つぎ――人と文学
鷹野 つぎ
Lesen Sie 鷹野つぎ――人と文学 (まど) von 鷹野 つぎ (たかのつぎ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.840 Zeichen · 43 Bildschirme
いろいろな蔓草が、繁りを締めつけて、日の目も射さぬ草の丘をあちこちに盛りあげていた。
雑草の可憐な花を愛した私は、また雑草のなかにいかに本物の草に似せたものがあるかにも、今さらおどろいていた。ある夕方勤務を了えた看護婦さんがテレスにいた私に、鉄柵ごしに一抱えの野草を摘んで渡してくれた。
「なかなか、野趣でしょ」と看護婦さんが云うので、私も親切に答えて早速花瓶に挿しましょうと云った。
野草を揃えなおしてみると、萩に似てそうでないもの、麦に似てそうでないもの、蘭や碗豆や水引草に似て悉くそうでないもの、それらのいかにも似方に努めている野草の姿には、また別の憐れさもあった。
試みに私は手もとのうすい植物略図を手にとってみると、猫萩というのがあり、イヌ麦というのがあり、じゃのひげ、鴉の豌豆、おにどころ、などというのが目に入り、今私の見ている雑草がそれらしくもあった。
病床のひまで私はこれを、矢張り自然の意志の中に生きる雑草のはかない努力と思って、何となく身につまされた。不完全なものの悲しみはこういう世界にもあって、本性がどうしても足らないのであった。
だが野草の中にも純粋なものがあった。