Japanische Klassiker mit Furigana
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おうむぐらかえくびでんせつ
鸚鵡蔵代首伝説
国枝 史郎
Lesen Sie 鸚鵡蔵代首伝説 (おうむぐらかえくびでんせつ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.083 Zeichen · 26 Bildschirme
仇な女と少年武士
「可愛い坊ちゃんね」
「何を申す無礼な」
「綺麗な前髪ですこと」
「うるさい」
「お幾歳?」
「幾歳でもよい」
「十四、それとも十五かしら」
「うるさいと申すに」
「お寺小姓? それとも歌舞伎の若衆?」
「斬るぞ!」
「ホ、ホ、ホ、斬るぞ、うるさい、無礼、なんて、大変威張るのね、いっそ可愛いいわ。……そうねえ、そんなように厳めしい言葉づかいするところをみると、やっぱりお武士さんには相違ないわね」
女は、二十五六でもあろうか、妖艶であった。水色の半襟の上に浮いている頤など、あの「肉豊」という二重頤で、粘っこいような色気を持っていた。それが石に腰かけ、膝の上で銀張りの煙管を玩具にしながら、時々それを喫い、昼の月が、薄白く浮かんでいる初夏の空へ、紫陽花色の煙を吐き吐き、少年武士をからかっているのであった。
少年武士は、年増女にからかわれても、仕方ないような、少し柔弱な美貌の持主で、ほんとうに、お寺小姓ではないかと思われるような、そんなところを持っていた。口がわけても愛くるしく、少し膨れぼったい唇の左右が締まっていて、両頬に靨が出来ていた。それで、いくら、無礼だの、斬るぞだのと叱咤したところで、靨が深くなるばかりで、少しも恐くないのであった。