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Japanische Klassiker mit Furigana

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おうむぐらかえくびでんせつ

鸚鵡蔵代首伝説

国枝 史郎

Lesen Sie 鸚鵡蔵代首伝説 (おうむぐらかえくびでんせつ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.083 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

こういう光景を見ているものは、ささやかな家根の下、三方板囲いされた中に、赤い涎れ懸けをかけ、杖を持った、等身大の石地蔵、飯食い地蔵尊ばかりであり、それを照らしているものは、その地蔵尊にささげられてある、お燈明の光ばかりであった。

「痛! 畜生! 指を噛んだな!」と突然嘉十郎は咆哮した。

「ええこうなりゃア、いっそ気を失わせておいて!」と大きな手を、お篠の咽喉へかけた。

「わッ」

瞬間、嘉十郎はお篠を放し、両手を宙へ延ばした。咽喉に匕首が突立っている。

「う、う、う、う!」

のめって、地蔵尊へ縋りついた。飯食い地蔵は仆れ、根元から首を折ったが、胴体では、嘉十郎を地へ抑え付けていた。

お篠はベタベタと地べたへ坐った。

(助かった! 助かった!)

その時、祠の陰から、お篠の代首を、今は口には銜えず、可憐しそうに両袖に抱いた、仮面のような獅子顔の男が妖怪のように現われ、お篠の横へ立った。

「雄之進殿オーッ」

それと見てとったお篠は、縋り付こうとした。

しかし、納谷雄之進は、自分の悪疾を、愛する妻へ移すまいとしてか、そろりと外して、じっとお篠を見下ろした。盲いかけている眼から流れる涙! 血涙であった!