Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きりん
麒麟
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 麒麟 (きりん) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.040 Zeichen · 18 Bildschirme
あれこそ、故国の政に志を得ないで、伝道の途に上った魯の聖人の孔子であろう。其の男の生れた時、魯の国には麒麟が現れ、天には和楽の音が聞えて、神女が天降ったと云う。其の男は牛の如き唇と、虎の如き掌と、亀の如き背とを持ち、身の丈が九尺六寸あって、文王の容体を備えて居ると云う。彼こそ其の男に違ありませぬ。」
こう王孫賈が説明した。
「其の孔子と云う聖人は、人に如何なる術を教える者である。」
と、霊公は手に持った盃を乾して、将軍に問うた。
「聖人と云う者は、世の中の凡べての智識の鍵を握って居ります。然し、あの人は、専ら家を斉え、国を富まし、天下を平げる政の道を、諸国の君に授けると申します。」
将軍が再びこう説明した。
「わたしは世の中の美色を求めて南子を得た。また四方の財宝を萃めて此の宮殿を造った。此の上は天下に覇を唱えて、此の夫人と宮殿とにふさわしい権威を持ちたく思うて居る。どうかして其の聖人を此処へ呼び入れて、天下を平げる術を授かりたいものじゃ。」
と、公は卓を隔てゝ対して居る夫人の唇を覗った。何となれば、平生公の心を云い表わすものは、彼自身の言葉でなくって、南子夫人の唇から洩れる言葉であったから。