Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんをあびるおんな
黄金を浴びる女
野村 胡堂
Lesen Sie 黄金を浴びる女 (おうごんをあびるおんな) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.350 Zeichen · 22 Bildschirme
身を捨てて人を助けよう
それは、実に恐ろしい魅惑です。
身を捨てて人を助けよう
「相沢さんはそれを御存じかい」
泣き疲れて、暫らく静かにして居たお駒は、半刻ばかり経つと不意に頭を挙げました。すっかり涙で洗われた顔は、新鮮な李のように紅くなって、十九娘のむせ返るような魅力が何んとも言いようの無い匂いを蒔き散らします。
「それは御存じだとも、相沢の旦那も一緒になって捜索したが、矢張り吹屋町ばかりは手が付けられねえ、到頭我慢が出来なくなって、お前を頼むことに話が纏ったのだよ」
今まで、美女の涙を膝に享楽して居た権次は、夢から呼び覚されたように斯う言いました。
「それほど知って居なさるなら、何うして御自分で入らっしゃらないのさ」
「こんな事をお駒さんに言う顔が無いと言うのだよ」
「意気地が無いんだねえ」
「えッ」
「そうじゃ無いか、外に良い女が出来ての切れ話なら、人に頼んで言わせる筋もあるだろうが、それほどの役目を引受けて、江戸中の人を助ける為に切れるのを、私は厭だと言うとでも思ったのかい」
「冗談、冗談じゃ無いよお駒さん、相沢の旦那は気が弱かったんだ、唯それだけの事だよ、自分の口から、お前に切れてくれとは言い憎かったんだ」