Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんをあびるおんな
黄金を浴びる女
野村 胡堂
Lesen Sie 黄金を浴びる女 (おうごんをあびるおんな) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.350 Zeichen · 22 Bildschirme
行手は勘定奉行、矢部駿河守の屋敷、自分の頭をカキ乱して、ゼイゼイ息を切らし乍ら、権次の潮吹顔はさめざめと泣いて居りました。
翌る朝勘定奉行与力相沢宗三郎は、権次を案内に、吹屋町の後藤三右衛門屋敷へ乗込んで来ました。
「仁兵衛娘、駒、親許の承諾を得、仮親を立てて、拙者の妻に申受くることに相成った、奉公中気の毒であるが早速引渡して貰い度い」と言う口上です。
三右衛門も、倅三之丞も申開きが付きません。奉公人を手討にするのはよくある例で、金蔵へ盗みに行ったと言えば事が済むようなものですが、その金蔵は数十万両の金が、血潮に染んで居ては、検視の受けようが無く、第一、権次が勘定奉行の隠密と解っては、争う余地もありません。
三右衛門は、黙って、即座に二十万両を上納しました。
これは歴史にも有名な話、続いて隠居願を差出しましたが、そこまで追及する積りは無かったので、それは差許されませんでした。
お駒の血潮で彩られた二十万両は、右から左へ窮民を救うの資に当てられ、天保の大飢鐘の始末も、これで一段落付きました。
矢部駿河守は後町奉行に転じて、天保十三年憤死し、相沢宗三郎は終を知らず、潮吹の権次は坊主になったと言うことです、お駒に膝を濡らされて以来、よくよく骨身に徹して世の中がつまらなくなったのでしょう。