Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうちょうのなげき

黄鳥の嘆き

甲賀 三郎

Lesen Sie 黄鳥の嘆き (こうちょうのなげき) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.792 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

尤も、だん/\探って見ると、気の毒な所もあるので、この人は十一二の年まで母親の所に育ち、それから子爵家に這入ったので、傍からは始終冷い眼で見られているちゅう訳で、グレ出したのも無理はないと思われる所もあります。

そこで子爵家では、和武に飽くまで譲りとうないので、どうぞして訴訟を取下げさそうと思ったが、旨く行きまへん。そこで、和武の行状を洗って、どうせ叩けば埃の出る奴じゃから、何か弱点を握って、とっちめてやろいうので、考えて見れば卑怯な事だすが、自衛上止むを得んちゅうので、和武がずっと関西方面にいたので、砂山さんの所へ、素行調査を頼んで来た訳だす。なるほど之なら費用は何ぼでも出す。何か弱点を探り出せば、一万円の報酬というのは、まア当前だす。

私は砂山さんに見込まれたんで、宜しおま、と引受けましたが、何でもないと思うたが、之が中々難物だした。というのは、和武は十八の年に子爵家を出て、それから二三年はあちこちと放浪し続けて、めちゃくちゃな生活を送ったらしいが、二十頃から急に身持が改って、山登りを始めた。山登りちゅうても、日本アルプスちゅう奴ですな。今こそ日本アルプスちゅうと、女でも子供でも行きますが、その頃は中々どうして、登る人も少く、道が悪いから人夫も仰山連れて行かなならんし、金持の坊ちゃんの道楽みたいなもん