Japanische Klassiker mit Furigana
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こうちょうのなげき
黄鳥の嘆き
甲賀 三郎
Lesen Sie 黄鳥の嘆き (こうちょうのなげき) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.792 Zeichen · 82 Bildschirme
決して調剤の間違いじゃありません。私の方には専門の薬剤師が置いてありまして、責任を持って調製いたしておりますから、絶対に間違いはありません。殊にですな、解剖の結果、益々当方の過ちでない事が証明されましたよ。というのは、二川子爵は全然私達の薬局に備えつけてないような猛毒性のアルカロイドを摂取しておられるんですよ」
「解剖の結果、分ったのですか」
「えゝ」
と、この時に野村は重大な事を思い出した。今までどうして気がつかなかったのだろうと思いながら、
「こちらで頂いた催眠剤は二回分あった訳ですな」
「そうです」太田医師は直ぐうなずいて、「当日取りに来たのでしたから、二回分あった筈です」
「すると、残りの一回はどうなったのでしょうか」
「二回分一緒にやっちゃったのですよ」
「二回分?」
「えゝ、今までに例のないことで、二川子爵は私を信頼して呉れましたし、中々よく医師のいいつけを守る患者で、之まで二回分を一度に呑むなんて事はなかったのでしたが、死を一層確実にしようと考えられたのでしょうかね。二度分を一時に呑まれましたよ」
「然し――」
そういう猛毒性の立どころに死ぬような毒薬を煽った者が、今更一回分の催眠剤を追加して見た所で仕方のない事ではないか。