Japanische Klassiker mit Furigana
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くろてぐみ
黒手組
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黒手組 (くろてぐみ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.978 Zeichen · 36 Bildschirme
刑事は、手跡なども一向特徴がないといっていました」
「警視庁にはそういう事を検べる設備はよく整っていますから、先ず間違いはありますまい。で、消印はどこの局になっていましたでしょう」
「いや、消印はありません。というのは、郵便で送ったのではなく、誰かが表の郵便受函へ投込んで行ったらしいのです」
「それを函から御出しになったのはどなたでしょう」
「私です」書生の牧田が頓狂な調子で答えた。「郵便物は凡て私が取纏めて奥様の所へ差出しますんで、十三日の午後の第一回の配達の分を取出した中に、その脅迫状が混って居りました」
「何者がそれを投込んだかという点も」伯父がつけ加えました。「附近の交番の巡査などにも尋ねて見たり、色々取調べたがさっぱり判らないのです」
明智はここで暫く考え込みました。彼はこれらの意味のない問答の中から、何物かを発見しようとして苦しんでいる様子でした。
「で、それからどうなさいました」やがて顔を上げた明智が話の先を促しました。
「わしは余程警察沙汰にしてやろうかと思いましたが、仮令一片のおどし文句にもせよ、娘の生命をとると云われては、そうもなり兼ねる。