Japanische Klassiker mit Furigana
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くろゆり
黒百合
泉 鏡花
Lesen Sie 黒百合 (くろゆり) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.148 Zeichen · 154 Bildschirme
今じゃあ仏様で、草葉の蔭から、かえって小主公をお守りなすっていらっしゃるんで、その可愛い貴方のためにそういう処へ参りました娘なら、地獄だって、魔所だって、きっとお守りなさいましょうから、御心配にゃあ及びますまい。望の黒百合の花を取ってやがて戻って参りましょうが、しかし打遣っちゃあおかれません、貴方に御内縁の嬢さんなら、私にゃ新夫人様。いや話は別で、そうかといって見ております訳ではござりません。殊に千破矢様というのがその後へおいでなすったという風説、白魚の姉御がいった若様なんで、味方の大将を見殺にはされません。もっとも直ぐにその日、一昨日でござりますな、少からぬ係合の知事様の嬢さんも、あすこの茶屋まで駈着けましたそうで。あれそれと小田原をやってる処へ、また竜川とかいう千破矢の家の家老が貴方、参ったんだそうで、御主人の安否は拙者がか何かで、昔取った杵柄だ、腕に覚えがありますから、こりゃ強うがす、覚悟をして石滝へ入ろうとすると、どうでございましょう。四五間しかないそうですが、泥水を装って川へ一時に推出して来た、見る間に杭を浸して、早や橋板の上へちょろちょろと瀬が着く騒。