Japanische Klassiker mit Furigana
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つづみのね
鼓の音
田中 貢太郎
Lesen Sie 鼓の音 (つづみのね) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.667 Zeichen · 4 Bildschirme
「見たか」
「見たかって、室の中で鼓の音がするもんですから……」
「それさ、壮い男のお客さんが鼓を打って、緋縮緬の女のお客さんが聞いていたろう」
「そうですよ」
「いいよ、いいよ、家つきのお客さんだろう、何人にも云ってはいけないぜ」
主翁はこう云って婢の口留をしたが、どうしても不思議でたまらないので、某日、この土地に昔から住んでいると云う按摩を呼んだ時に、肩を揉んでもらいながら聞いてみた。
「按摩さん、この家を前の人がやっている時に、なにか、そこの娘とか、婢とかで、病でなしに死んだ者でもあるかね」
「さあと……さあ」
按摩は蠣殻のような白い眼をぱちぱちやりながら考えていたが、やっと何か思いだした。
「どうもはっきりとおぼえておりませんが、ここに養女がありましてね、それは私も知っておりますが、細面のな女でした、その女が、下谷に住んでいる旗本の三男に見染められて、たってと所望されて、そこに嫁に往ったところが、その男がすぐ病で亡くなったので、我家へ帰って来ているうちに、やはり藁のうえからもらわれて、ここの家で育っていた壮佼とできあって、二人で他愛もなくやっているうちに、養女に他から養子をもらうことになりますと、どうも二人で情死をしたらしいですよ、世間体はどこまでも病で死んだようにして、前後して葬式を出しましたが、後で何人か