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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなのひょうげん

鼻の表現

夢野 久作

Lesen Sie 鼻の表現 (はなのひょうげん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.303 Zeichen · 141 Bildschirme

Aozora Bunko

ですから……これでは人類の共同的文化生活は永久に覚束ない……とあって発明されたのが儀礼とかお世辞とかいう奴であります。さすがに吾々の祖先は万物の霊長だけあって、途中で出会うたんびに一々尻を嗅ぎまわってイガミ合っていては、手数が大変だという事を直ぐに覚ったのでありましょう。

そこで「ウヌが人間ならオレも人間だ。向うへ行きたけりゃ手前の方からよけて通れ」という鼻の表現を和らげて、「貴殿が紳士なら拙者もゼントルマンで御座る」「御免遊ばせ」「失礼を」で行き違います。奇特な人は他家のお葬いにでも帽子を脱ぐといった塩梅式になります。

これを以てこれを見れば、礼儀作法とか御愛嬌や御挨拶なぞというものは、共同生活の本義から割り出された四海同胞主義、それからまた煎じ出された博愛の精神を標準目標として出来たものと考えられます。商売上の掛引にせよ何にせよ、相手に好感を与えねばならぬという人類共通の本心から出たものである事は間違いないようであります。

同時に精神上から見ても物質上から云っても、世間はだんだん実質本位になって来ます。お世辞でも中味のある方がいい。礼式でも無駄なのは廃してしまえというので、精神上物質上充実されたものでなければ人が相手にしなくなるのは当り前であります。