Japanische Klassiker mit Furigana
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はなのひょうげん
鼻の表現
夢野 久作
Lesen Sie 鼻の表現 (はなのひょうげん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.303 Zeichen · 141 Bildschirme
えらい処へ来たと思いました。大変なものばかりであると思いました。そのために鼻の穴がスッカリ開け放しになってしまいました。
オッカナビックリ歩きまわって見ました。しかしいくら歩きまわっても、只驚くべき怪しむべき事ばかりで、行っても行っても同じ風が吹いているという事だけがわかりました。どこへどう落ち着いて、どんなに日を送っていいか、まるっきり見当がつかなくなりました。
スッカリスフィンクスに馬鹿にされてしまいました。
仕方がないのでヒョットコは、遂に色気と喰い気に逆もどりをしました。昔獣であった時代からこれを生命と守り通して来た利己心――生命の保存と永続の二つの本能のいとなみに凝り固まりました。
姿は人間でありながら、心は昔の獣のまま喰って惚れて生きている――
――絶対の無自覚の姿!
「オホホホホホホ」
とおかめがこれを見て笑い出しました。
「マア、面白い事。おかしい事。一寸ヒョットコさん、御覧なさいよ。何て奇麗なお月様でしょう。何て明るいお太陽様でしょう。妾すっかり感心しちゃったわよ。こんな有難い事は無いわよ。ホントに勿体ない――嬉しい事……オホホホホ」