Japanische Klassiker mit Furigana
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はなのひょうげん
鼻の表現
夢野 久作
Lesen Sie 鼻の表現 (はなのひょうげん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.303 Zeichen · 141 Bildschirme
を輝かすばかりに夜を明かし日を暮しておいでになります。
お次に植物式に囚われた鼻の表現のうちで一番多く見うけるのは、極めて狭い処に極く小さな芽をふいて、チョッピリした枝葉を出して、イササカの花を咲かせ実を結んで満足している鼻であります。
これという実も花も持たぬままに、潤いを求めて地を這いまわる蘚苔のようなもの、又は風に任する浮草式生活の気楽さに囚われている者に到っては殊に夥しいのであります。恐ろしい毒に身を守って、虫も鳥も寄り付かぬのを誇りとするという、凄い珍しい囚われ方をした鼻の表現も、亦この部類に数えらるべきものでありましょう。
梅、桜、牡丹、芍薬、似たりや似たり杜若、花菖蒲、萩、菊、桔梗、女郎花、西洋風ではチューリップ、薔薇、菫、ダリヤ、睡蓮、百合の花なぞ、とりどり様々の花に身をよそえて行く末は、何処の窓、誰が家の床の間に薫るとも知らず、泣きつ笑いつ、はかなくかぐわしい夢に浮かれる人々も亦、この中に数えねばならぬのではありますまいか。
しかも植物式の囚われ方をしたものの中で偉大なものになると、鳥を宿し、星を停め、雲を払い、風に吼えて、素晴らしい偉観を呈するのがあります。