Japanische Klassiker mit Furigana
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はなのひょうげん
鼻の表現
夢野 久作
Lesen Sie 鼻の表現 (はなのひょうげん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.303 Zeichen · 141 Bildschirme
意志、感情、性格
――鼻の動的表現(三)
しかし「鼻の表現」の実例はなかなかこれ位のものではありませぬ。小説、講談、文芸物、その他普通世間に云い伝えられていながら、鼻の表現としてはっきりと認められていない文句や言葉だけでもかなりの数に達するのであります。
「鼻にかける」という表現は、前の「鼻うごめかす」というのと同じような心理状態から出て来るものであります。「天下の色男は吾輩で御座い」なぞいうのがそれであります。持参金付きのお嫁さんなぞにもよくこの気持が出ているものだそうで、そのほか身分、容色、家柄なぞ、何でも本人の腹にあるものがこの気持ちの根拠地となるものらしく見受けられます。
「お天狗――鼻高々」なぞいうのは、この気持ちが今一層高潮して現われた場合の形容詞で、鼻が高かろうが低かろうがそんな事は些しもこの気持ちの表現に影響しませぬ。
これに反して「鼻じろむ」というのは、強敵にぶつかって「到底叶わぬ」と気が付いたり、又は物の見事にしくじったりした場合なぞに心の底の悲観や落胆が鼻に現われたもので、何だか鼻の頭の油の気や毒気がスーッと抜けて行くような気がするものだそうであります。