Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ああぎょくはいにはなうけて

ああ玉杯に花うけて

佐藤 紅緑

Lesen Sie ああ玉杯に花うけて (ああぎょくはいにはなうけて) von 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.617 Zeichen · 250 Bildschirme

Aozora Bunko

「いよいよおもしろい」と町長はいすを乗りだして、「これを機会に根底から立憲党を潰滅するんだね、そうだ、じつに好機会だ、わざわいが転じて福となるぜ、おい、早く退院してくれ」

「ちがいます」と巌はふたたび叫んだ。「覚平はぼくらを救いだしてくれたのです、ぼくもお父さんも煙にまかれて倒れたところをあの人が火の中をくぐって助けてくれました」

「ばかッ、だまってろ、おまえはなんにも知らないくせに」と猛太はどなった。

「なんにしてもあいつがその場にいたということがふしぎじゃないか」と町長がいった。

「そうだそうだ」

町長は喜び勇んで室をでていった。あとで猛太はそのまま身動きもせずに考えこんだ。巌は繃帯だらけの顔を天井に向けたままだまった、父と子はたがいに眼を見あわすことをおそれた。陰惨な沈黙が長いあいだつづいた。

巌の目からはてしなく涙が流れた、かれはそれをこらえようとしたがこらえきれずにしゃくりあげた。

「お父さん」とかれはとうとういった。父はやはりだまっている。

「お父さん、あなたはぼくのお父さんでなくなりましたね」

「なにをいうか」と父はどなった。

「お父さんはぼくにうそをつくなと教えました。