Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ああぎょくはいにはなうけて
ああ玉杯に花うけて
佐藤 紅緑
Lesen Sie ああ玉杯に花うけて (ああぎょくはいにはなうけて) von 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.617 Zeichen · 250 Bildschirme
小原はこういうことを柳に語った。
「ねえきみ、ぼくにはよく先生の気持ちがわかった、それはね、ぼくが捕手をやってるからだよ、捕手は決して自分だけのことを考えちゃいかんのだ、全体のことを……みんなのことを第一に考えなけりゃならない、ちょうど校長は捕手のようなものだからね」
「そうかね」
柳はひどく感慨にうたれていった。そうして口の中で、「みんなのことみんなのこと」とくりかえした。
ふたりは停車場へゆくとはや東から西から南から北から見送りの生徒が三々五々集まりつつあった。昨日の申しあわせで生徒はことごとく和服で集まることになっていた、白がすりに小倉のはかま、手ぬぐいを左の腰にさげて、ほおばのげたをがらがら引きずるさまがめずらしいので、町の人々はなにごとがはじまったかとあやしんだ。
集まるものはことごとく少壮の士、ふきだしそうな血は全身におどっている、その欝勃たる客気はなにものかにふれると爆発する、しかも今や涙をもって慈父のごとく敬愛する校長とわかれんとするのである。危険は刻々にせまってくる。かれらはなにを見てもさわいだ。馬が荷車をひいて走ったといっては喝采し、おばあさんが転んだといっては喝采し、巡査が饅頭を食っているのを見ては喝采した。