Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ああぎょくはいにはなうけて

ああ玉杯に花うけて

佐藤 紅緑

Lesen Sie ああ玉杯に花うけて (ああぎょくはいにはなうけて) von 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.617 Zeichen · 250 Bildschirme

Aozora Bunko

さすがに手塚は目をぱちくりさせて言葉がでなかった。だがこのくらいのことにひるむような手塚ではない。かれはこびるような目をむけていった。

「きみ、ぼくのカナリアが子をかえしたからあげようね」

「いらないよ」

「じゃね、きみは犬を好きだろう、ぼくのポインターをあげようね」

「ぼくの家にもポインターがいるよ」

「そうだね」

手塚はひどく当惑してだまったが、もうこらえきれずにいった。

「きみは生蕃が好きになったのか」

「もとから好きだよ」

「だってあいつはきみを負傷させたじゃないか」

「喧嘩はおたがいだ、生蕃は男らしいところがあるよ」

「じゃ失敬」

「失敬」二人は冷然とわかれた。

光一に送られた巌は家へはいるやいなやわが室へころがりこんだ。いままでこらえこらえた腹だたしさと悲しさと全身のいたみが、急にひしひしとせまってくる。かれは畳にころりと倒れたまま天井を見つめて深い考えにしずんだ。

かれの頭の中には停車場前において学友に打たれなぐられつばをはきかけられた光景が浮かんだ。げたで踏まれたひたいのこぶがしくしく痛みだす。がかれはそれよりも痛いのは胸の底を刺されるような大なる傷であった。