Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ああぎょくはいにはなうけて

ああ玉杯に花うけて

佐藤 紅緑

Lesen Sie ああ玉杯に花うけて (ああぎょくはいにはなうけて) von 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.617 Zeichen · 250 Bildschirme

Aozora Bunko

らっぱの音はほがらかにひびいた、かれは例のたんぼ道から町へはいろうとしたとき、今日も生蕃が待っているだろうと思った。

かれは微笑した、それはいかにも自然に腹の中からわきでたおだやかな微笑であった。いつもかれはこのところでいくどか躊躇した、かれは生蕃をおそれたのであった、がかれはいま、それを考えたとき恐怖の念が夢のごとく消えてしまった。でかれは堂々とらっぱをふいた。

町の角に……はたして生蕃が立っていた。

「やい」と生蕃は血走った目でチビ公をにらんだ。

「おまえに食わせる豆腐はないぞ」とチビ公は昂然といった。

「なにを?」

生蕃はびっくりして叫んだがつぎの句がつげなかった、かれはいつも涙ぐんでぺこぺこ頭を下げるチビ助が、しかも昨夜かれの伯父がおれの父をなぐったことを知ってるチビ助が、復讐のおそれも感ぜずにいつもより勇敢なのを見ると、実際これほどふしぎな現象はないのであった。

「待てッ」

「待っていられないよ、明日の朝またあおうね」

チビ公はずんずん去ろうとした。

「こらッ」

生蕃の手がてんびん棒にかかった、とこのとき電柱の陰から声が聞こえた。

「阪井、よせよ」