Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ああぎょくはいにはなうけて

ああ玉杯に花うけて

佐藤 紅緑

Lesen Sie ああ玉杯に花うけて (ああぎょくはいにはなうけて) von 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.617 Zeichen · 250 Bildschirme

Aozora Bunko

これにはチビ公もまったく閉口した。

かれが今町の入り口へさしかかると向こうから巌がやってきた、かれは頭に鉢巻きをして柔道のけいこ着を着ていた。チビ公ははっと思って小路にはいろうとすると巌がよびとめた。

「やいチビ、逃げるのかきさま」

「逃げやしません」

「豆腐をくれ」

「はい」

チビ公は不安そうに顔を見あげた。

「いかほど?」

「食えるだけ食うんだよ、おれは朝飯前に柔道のけいこをしてきたから腹がへってたまらない、焼き豆腐があるか」

「はい」

チビ公が蓋をあけると巌はすぐ手をつっこんだ、それから焼き豆腐をつかみあげて皮ばかりぺろぺろと食べて中身を大地にすてた。

「皮はうまいな」

「そうですか」とチビ公はしかたなしにいった。

「もう一つ」

かれは三つの焼き豆腐の皮を食べおわって、ぬれた手をチビ公の頭でふいた。

「銭はこのつぎだよ」

「はい」

「用がないからゆけよ、おれはここで八百屋の豊公を待っているんだ、あいつおれの犬に石をほうりやがったからここでいもをぶんどってやるんだ」

チビ公はやっと虎口をのがれて町へはいった、そうして悲しくらっぱをふいた。らっぱをふく口元に涙がはてしなくこぼれた。