Japanische Klassiker mit Furigana
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あたまでっかち
あたまでっかち
下村 千秋
Lesen Sie あたまでっかち von 下村 千秋 (しもむらちあき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 17.773 Zeichen · 36 Bildschirme
「霞ガ浦」という名はこういうところからでたのにちがいありません。まったくかすみにつつまれた霞ガ浦ほど、なごやかなやさしい自然はないでしょう。
林太郎はなんだかもの悲しくなりました。夢のようなかすみの中にいるせいか、それともおきぬねえちゃんに手をひかれているせいか、どっちだかそれはわかりませんが、なんだかひとりでになきたくなってきたのです。うす浅黄色のかすみの中に、ほたるがいくつもほの青い光の尾をひいて、高く低くとんでいましたが、林太郎はそれをつかまえようともしません。ばかりか、ほたるのその青い光までが、目にかなしくうつるのです。
「林太郎ちゃん、どうしたの。」
おきぬねえちゃんが、ふと林太郎の顔をのぞいてそういいました。
「…………。」
林太郎は、なんとも答えず顔をふせてしまいました。
「こんなとこ歩いてるの、おもしろくないの。じゃかえろうか。」
「……ううん、かえりたくないよ。」
林太郎はやっと鼻声で答えました。
「そんなら元気をだして、ほたるをとりなよ。そら、すぐそこを、すいすいととんでるじゃないか。」
「……ねえちゃん、おれ、おれ……死にたいんだ。」
「……なあに?」