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Japanische Klassiker mit Furigana

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あだこ

あだこ

山本 周五郎

Lesen Sie あだこ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.762 Zeichen · 46 Bildschirme

Aozora Bunko

九

「だがもういいだろう、洗っておいで」

「はい」とあだこは立ちかけたが、そこで気遣わしそうに彼を見た、「あのう、もし気が向かないのなら、むりにお勤めなさらなくっても、あたしがなんとかやってゆきますから」

「もういい」と彼は微笑しながら手を振った、「顔を洗っておいで」

九

役に戻れたのは十兵衛の奔走のためだ。彼の本家である曽我伊予守正順は、六千五百石の書院番頭であったし、金森主膳の口添えもあったらしいが、三月にはいるとまもなく、書院番にあがり、そこから進物番へ出仕することになった。

だが出仕するまでに、十兵衛はじめ、秋田、安部、三枝たちの助力を得なければならなかった。登城のための衣類のこと、上役や先任の同役に対する進物のこと、また、家扶はともかく供をする小者二人は必要なことなど、かなりな金額のすべてを四人の友達にまかなってもらうほかに、しようがなかったのだ。――四人はこころよくやってくれた。半三郎が立ち直るためなら安いものだ、などと云い、初出仕の日には、夕方から小林へ来て、祝いの酒宴をひらいてくれた。

酒も肴も自分たちの持ちよりで、盃を取るとまず、みんなであだこに礼を云った。