Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あまりもの

あまり者

徳永 直

Lesen Sie あまり者 (あまりもの) von 徳永 直 (とくながすなお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.421 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

私の母は、その残飯を量り売りしながら、あんまり、ひどそうなので、注意したことがあった。

「はい、朝から食わんのだけん、さっき、××町の交番のところで、凍て、くたばりかけましたたい。ばってんがああた、あそこに寝かしておくと、交番の巡査さんが、居らすもんだけん、うんと、打ったくって、連れて来ましたたい」

お近婆さんは、地獄の率土の婆みたいに、骨と皮ばかりの青い顔を、ひっつらせ乍ら喋べった。

子供達は、ガタガタ慄えながら、土間の隅っこにちぢこまって、煎りつくような眼で、母が盛っている残飯を睨めていた。

私の家は、こういう種類の人が、毎晩何十人となく集まっていた。従って、私の家は乞食の元締みたいな、役割を自ずと持っていた。

それで私の記憶に残っている人が幾つもある。私が兵さんの少年時代の記憶で、一番はっきりしているのは、その母が盛っている残飯を、全く、生命がけで睨んでいる、あの痩せこけた顔の中に、ギョロリと光っている眼である。

その後、お近婆さんは、二人の子供を置き去りにして行衛不明になった。二人の子供は、仕方なく私の家に来ていた。そして土間の隅っこで、毎日、私の犬、はちと称んでいた野良犬と一緒に遊んだりしていた。